餃子

このページは、中国の食べ物を紹介していきます。

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更新日:
 2012年4月15日



◎餃子
 餃子。

 言うまでもなく、日本でも一般的に食べられている餃子です。小麦の粉で作った薄い皮に野菜と肉の具を包んで作った料理です。具によって、様々な種類があります。餃子専門店では、200種類以上のメニューがある店もあるそうです。
 餃子の歴史は古く、東漢末まで遡るそうです。東漢とは三国志の時代です。元々の名前は「嬌耳(可愛い耳という意味)」といい、創始者は張仲景という「医聖」と呼ばれた有名なお医者さんだそうです。当時は中国各地で災害が多発し、多くの人が病気になって苦しんでいたそうです。張仲景は幼いころから熱心に医学書を学び、やがて中国医学の基礎を作っていきます。医者として名高いだけでなく、どんな難病も治し、また、貧乏人と金持ちの区別なく、誰に対しても一生懸命治療して多くの命を救った、人間的にも素晴らしい人だったそうです。
 張仲景が長沙の官職にあったとき、疫病が大流行したそうです。彼は町の入口に大きな鍋をしつらえて薬を調合し、町の人々に与えたそうです。人々は大変喜び、また、病気が治ったことに深く感謝したそうです。
 その後、官職を終えて故郷に帰ると、多くの人が飢えと寒さで苦しんでいたそうです。ほとんどの人が凍傷にかかり、耳が爛れていたそうです。彼は、何とか彼らを救おうとしたものの、それ以外の病人の手当に時間が取られ、彼らへの処置はできなかったようです。そのような中、彼は長沙で行ったことがある方法を思い出し、弟子を呼んで町の広場に医療小屋を作り、中に大鍋をかけ、冬至から数日間、貧しい人たちに薬を与えたそうです。それは「去寒嬌耳湯」という名で、羊肉と花椒、その他の去寒薬剤を鍋で煮詰め、煮えた具材を細かく切り刻んで小麦粉で作った皮で耳の形に包んだものだったそうです。人々は、一人2個ずつ、「嬌耳」をお椀に入れて食べたそうです。すると、体が芯から温まってきて血液の流れが良くなり、両耳も温まり、しばらくすると耳の爛れも良くなってきたそうです。
 この医療小屋は大晦日まで続いたそうです。年が明けて元旦の朝、人々は新年を祝うとともに、耳の爛れがなくなったことも大変喜び、この可愛い耳のような食べ物を年越しの祝いの食べ物としたそうです。この時、「餃耳」、「餃子」、「扁食」などと呼ばれたこの食物は、病気を治してくれた張仲景に対する人々の感謝の気持ちを表した象徴だそうです。
 張仲景が亡くなってから、既に1800年の歳月が過ぎようとしていますが、「去寒嬌耳湯」の話は民間に広く伝わり、毎年、冬至から元旦までの間に餃子を食べる習慣は、中国で、今もなお受け継がれています。
 餃子の形は、今では色々なものがあります。多くの地域では伝統的な半月型のものですが、これは作る時、具材を包んで皮を二つに折り、つまむように合わせていきます。皮をしっかりつまむことで「福をつまむ」という意味も込めているそうです。
 ある家では、餃子の両端を伸ばしてつなぎ、小判型にすることがあります。これは財宝をテーブルいっぱいに並べるという富を表しているそうです。また、ある家では、麦の穂のように作ることもあるそうです。これは、その年の五穀豊穣を象徴しているそうです。このように、餃子の形には、来る新年が良い年であるようにという願いが込められているのだそうです。
 中国の諺に「大晦日の餃子は家族で食べる」というのがあるそうです。玄関の飾り付けを終え、爆竹を盛大に鳴らした後、家族総出で餃子を包んで食べるのだそうです。日本の年越し蕎麦に近い存在だそうです。餃子を食べながら家族揃って新年を迎えるという習慣は、中国では、かなり古くからあり、記録によると少なくとも元、明の時代には出来上がっていたようです。年が明けると真っ先に餃子を鍋に入れ、茹で上がったら、先ず神棚やご先祖にお供えし、それから皆でいただくのだそうです。
 春節に餃子が食べられるようになったのは、餃子の形が馬蹄銀という昔のお金の形に似ていることからだそうです。お金の形と同じ餃子を食べて、「富をもたらす」ことを願っているのだそうです。また、家族の幸運を願って、餃子の餡の中にコインや飴、落花生などを入れることもあるそうです。
 年越し餃子は、作り方にもこだわりがあるそうです。餃子を煮る火は、柴やゴマの木などの枝を使って、火が盛んに燃え上がるようにするそうです。これは、来年が日々、燃え上がるように盛んでありますようにという願いを込めているそうです。また、餃子を煮る時は、杓文字で無暗にかきまわさないようにするそうです。鍋の淵に沿って円を描くようにするのは、静かに落ち着いた生活を表現しているのだそうです。
 山東省の東部地域では、わざといくつかの餃子を破れさせるのだそうです。ただし、「破れた」とか、「壊れた」とか、「崩れた」などとは言わないそうです。「あふれる」とか、「こぼれる」などと言うのだそうです。これは、中の具材「菜(cai)」が「財」と同じ発音なので、「財があふれる」、「財がこぼれる」という縁起の良い言葉にして年越しを楽しんでいるのだそうです。
 また甘粛省の一部では、餃子を煮る時、一緒に麺を入れるそうです。餃子は小判型にし、麺は細く長く作ることによって、「お金持ちになって長生きする」という願いを託しているのだそうです。
 日本では焼き餃子が主流ですが、中国では水餃子(水餃)が一般的です。水餃子と言っても、日本で言うようなスープに入った「スープ餃子」ではなく、茹でて食べる「茹で餃子」です。(ちなみに、日本で言うスープ餃子は、「湯餃」と言います。)もちろん、焼き餃子もありますが、通常、「餃子」と言えば「水餃子」です。
 ちなみに焼き餃子は「鍋貼」と呼ばれています。水餃子と同じ形状のものを焼く場合と、日本で棒餃子や鉄鍋餃子などと呼ばれている、皮が薄くて長細い形状のものを焼いている場合もあります。



   普通の餃子です。これが水餃です。



   こちらが普通の鍋貼です。




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