伊府麺

このページは、中国の食べ物を紹介していきます。

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更新日:
 2012年3月25日



◎伊府麺(イーフーメン)
 一度、茹でてから揚げた麺。食べる際には、再度、茹でて戻して食べる麺。

 伊府麺(イーフー麺)という麺があります。中華街に行くと、揚げた状態で5個1袋で売っています。皆さんも、一度は見たことがあるかもしれません。しかし、それを買って帰ろうと思う人は、あまりいないのではないでしょうか。何故なら、どうやって食べれば良いのか、分からないのですから。
 この伊府麺ですが、「伊」は人の名前で、「府」は「家」という意味だそうです。すなわち、「伊府麺」とは「伊さん家の麺」という意味だそうです。
 もともと、中国、清の乾隆帝時代に進士(科挙の合格者)となった伊秉綬(いへいじゅ:1754〜1815年、書家)の屋敷(中国語で「府」)の厨房で開発されたそうです。伊秉綬は、乾隆54年(1789年)に進士となり(科挙に合格し)、刑部主事を授けられ、広東省恵州や揚州の知府(地方政府の長官)を歴任したそうです。このため、伊府麺は広東省が発祥とされています。
 「伊府麺」の発祥には、こんな話があるようです。伊乗綬は、驕らない性格で、地元の人に 人気があったようです。また、麺料理が好きだったようです。ある時、近所の人達から大量の「烏龍麺(うどん)」をプレゼントされたそうです。家族だけでは食べられない量だったため、茹でて調理したものを近所の人達に御馳走したそうです。その中で、湯に入れるべき麺を間違って油の中に入れて、揚げてしまったそうです。もったいないからと食べてみたら、揚げた麺も美味しかったことから、その後、改良を加えられ、現在の「伊府麺」になったということです。
 伊府麺は、小麦粉と鶏卵だけで麺を打ち(水を使わない)、一度、茹でてから、冷水で冷やし、さらに火であぶって乾燥させてから揚げた麺です。食べる前には、再度、茹でて、戻して食べる特殊な製法の麺です。一度、揚げてあるため、多少、長持ちするのだそうです。このため、インスタントラーメンの原型とも言われています。
 揚げるといっても、焼きそばのように色づかせ、固く揚げるのではなく、低めの温度で揚げます。また、食べる時には汁に浸しているため、独特のくたっとした感触があります。普通の麺のようには伸びませんし、つるつるシコシコとした食感ではなく、プツンプツンとちぎれるような噛みごたえです。広東省では、雲呑麺に使われることが多いようです。
 「伊府麺」は香港や台湾でも、日常的に食べられています。なお、台湾では「伊府麺」のことを「意麺」と呼びます。台湾の「意麺」は、台南県塩水鎮が発祥と言われています。タウナギを具にしたものや、鍋焼きにしたものが台南の名物となっています。





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