火鍋

このページは、中国の食べ物を紹介していきます。

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更新日:
 2012年2月22日



◎火鍋(ひなべ、フゥオグゥオ)
 中国の鍋料理。

 火鍋は、中国人の食文化において広く知られている鍋料理です。鍋に火をかけ、肉、魚介類、野菜などをスープで煮込みながら食べる中国の鍋料理です。現在では中国大陸に限らず、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシアなどの華僑社会でも食されており、その他、日本やアメリカなど世界中の中華街や火鍋専門店などの中華料理店においても提供されています。
 火鍋は、中国では長い歴史を持ち、各地でさまざまに発展した独特の料理です。古くは「古董(グウトン)羹」とも呼ばれていたそうです。煮たったスープに食材を入れたときの「ゴトゴト」という音から名づけられたのだと言われています。鍋に食材を入れて煮る食べ方から「中国のしゃぶしゃぶ」と呼ばれることもあるようですが、北京のシュワンヤンロウという羊肉の火鍋が京都に伝わったのが日本のしゃぶしゃぶのルーツのようです。
 火鍋が何時ごろできたのか、はっきりしたことは分かっていないようです。ただ中国の食文化の歴史を見ると、おおよそ3千年くらい前に発明された「鼎」という食器と関係があるようです。これは鉄製の大鍋で3本か4本の足で支えられています。当時は祭祀において、牛や羊の肉をその中で煮て神にささげた後、皆で分け合って食べたようです。これが火鍋の最も古い形といえます。
 鍋自体の発展と共に、味付けも工夫されていったようです。三国時代、魏の文帝のとき「王熟釜」という記録があるそうです。これは鍋の中を5つに分け、それぞれに別の味(五味)の食材を入れた鍋料理です。現在のオシドリ鍋(鍋を2つに仕切り、赤く辛い麻辣湯と白くあっさりとした白湯を入れた火鍋)の基になったと言われています。
 また、南宋時代、林洪の「山家清供」には、次のような話が載っているそうです。「林洪が友人と一緒に武夷山の止止大師を訪ねたとき、山を登っている途中で大雪になりました。そこに野兎が1匹飛び出してくると、雪で足を滑らし、下の岩にぶつかって気を失ってしまいました。林洪はこれを捕まえ、焼いて食べようと考えて止止大師にどんなふうに料理したらよいか尋ねました。止止大師は「鍋に湯を沸かし、兎肉を薄切りにしてしゃぶしゃぶし、いろいろな調味料をつけて食べたらよい。」と教えます。林洪がその通りに調理すると非常に美味しく、皆で楽しく談笑しました。」という話です。普通に焼いて料理するよりも鍋にした方が美味しいということが広く知られていたということです。
 火鍋が最も盛んだったのは清の時代です。「清代档案史料叢編」に「千叟宴」の記録が記載されています。これは1796年に宮中で催された宴で、用意された火鍋は1550以上、集まった人は5000人以上という前例のない大規模な「火鍋宴」でした。
 火鍋は肉、魚、野菜、香辛料など豊富な食材を使うので、様々な栄養素が一度に摂れる理想的な料理といえます。その土地の風土に合った食材を使うことで、健康維持にも役立ってきたのです。
 火鍋は中国全土に見られ、その種類は多く、使用される食材や味付けも様々です。代表的なものに以下の火鍋があります。地域で言えば、北京火鍋、河南火鍋、川味火鍋(重慶火鍋など四川省)、湖南火鍋、貴州火鍋などが有名ですが、これ以外にも香港やマカオで食される火鍋や、台湾の火鍋もあります。また、麻辣味と呼ばれる辛味をベースにした火鍋は特に「麻辣火鍋」と呼ばれ、中国四川省や台湾の火鍋に多くの種類があります。



   北京スタイルの火鍋料理です。



   こちらはオシドリ鍋のスタイルです。辛いスープと白湯スープが楽しめます。



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