東坡肉

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更新日:
 2012年2月22日



◎東坡肉(トンボーロー)
 豚バラ肉の角切り醤油煮込み。

 東坡肉(トンポーロー)は、中国、杭州の名物料理で、長江北部の揚州、淮安、鎮江を発祥の地とする淮揚料理に属しています。赤身と脂身が半々になっている豚のバラ肉を角切りにして、醤油に酒を加えた汁の中に入れて、弱火でじっくり煮込んだ料理です。肉は、とても柔らかく煮込んであるものの、決してボロボロと崩れるようなものではなく、脂味もしつこくはなく、口に入れると滑らかで溶け、肉と脂身の美味しさを多能できる料理です。
 東坡肉は、宋の時代(960年〜1279年)の大詩人であり、美食家でもある蘇東坡に由来する料理だそうです。蘇東坡は、唐宋八大家の一人であり、詩作、書画など様々なものに精通しており、料理もかなりの腕前で、とりわけ、肉の醤油煮込みが得意だったそうです。東坡肉が、この蘇東坡に由来していることは間違いないようですが、料理が生まれた理由には諸説、あるようです。
 有名な説では、蘇東坡が杭州で官職に就いていた時、西湖の水害が起きたそうです。この時、蘇東坡は土地の人々を雇用して浚渫工事を行い、堤防を築き、橋をかけ、長年にわたって人々を苦しめた水害の防止に成功したそうです。
 同地の人々は、この業績に感謝の気持ちを表すため、蘇東坡の好物の肉の醤油煮込みを次々と贈ったそうです。人々から豚肉を受け取った蘇東坡は、料理人に、その豚肉を角切りにして、じっくりと煮込むよう命じ、できあがった料理を西湖の治水工事に協力した人々に分け与え、一緒にこれを味わったそうです。人々は蘇東坡の聡明さを賞賛し、蘇東坡から振舞われたその料理を「東坡肉」と名付け、称えたという説です。
 また一説では、政争に巻き込まれて蘇東坡が黄州へ左遷させられた時、生活が貧して苦しかったため、醤油に酒を加えて、安い豚肉を煮込む料理を考え出したそうです。とろ火でゆっくりと煮込んだ豚肉は光沢があり、肉質は柔らかく、コクがありました。このため非常に美味しい料理として有名になり、この料理は次第に黄州から南宋の首府であった杭州にまで伝わっていき、杭州の名物料理として広まったそうです。そこで、この料理を作った人の名前を直接用いて「東坡肉」と命名されたと言う説です。
 いずれにしても、東坡肉は杭州の名物料理であり、豚肉を美味しく食べることができる料理の一つとして有名になっています。





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