揚州炒飯

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更新日:
 2012年2月22日



◎揚州炒飯(ヤンジョウチャオファン)
 揚州風の豪華な五目チャーハン。

 中国料理で最も有名な炒飯だそうです。揚州炒飯とは、玉子炒飯をベースにして、豪華な食材が入った五目チャーハンのことだそうです。日本の五目炒飯の原型だと言われているようです。
 揚州炒飯は江蘇省の揚州市を中心とした地域を発祥としていますが、元々のルーツは、「砕金飯」と言われているようです。隋の時代の「謝諷食経」という書物に「越国食砕金飯」という記述があり、これは「越国(浙江)では砕金飯(金のかけらのような飯)を食べている」という意味で、揚州付近で食べられていた蛋炒飯(卵チャーハン)のことだと言われています。
 「砕金飯」は揚州に伝わり、改良され、具材も増えていき、今日のような揚州炒飯になったのだそうです。したがって、御飯の一粒ずつが卵液に包まれ、炒めると金色に輝くので、俗に「金裹銀(金で銀をくるむ)」と言われているそうです。そして、現在、揚州炒飯と言われているのは、非常に多くの材料を用いた豪華な炒飯です。
 しかしながら、これと言った決まりがなく、揚州以外の地域では卵、青ネギ、ハムなど、普通の材料を適当な種類、使用した炒飯を「揚州炒飯」と呼んでいるようです。
 そんな状態を見るに見かねて2002年3月、揚州の料理人の団体である「揚州調理師連合会」が「揚州炒飯の基準」というものを制定し、発表したそうです。その冒頭には、次のように書かれていたそうです。「我々は「揚州炒飯」の名誉を守るために、本物の「揚州炒飯」の基準を発表します。材料、製法、技術など、全てこれに基づいて作ることをお願いしたい。また、「揚州炒飯」にも色々な種類がありますが、これは最も標準的な「五目炒飯」に適用されるものです。これによって全国の揚州炒飯が統一の品質を保ち、ブランドが守られることを我々は望むものです。」
 そして、その内容は以下のように記載されていました。「材料」には「1人分。上等な米500g、地鶏の卵4つ、海鼠(ナマコ)20g、地鶏腿肉30g、上等な中華ハム10g、貝柱10g、川海老むき身50g、干し椎茸20g、新鮮な筍30g、グリーンピース10g、さらに調味料として葱のみじん切り10g、塩6g、鶏ガラスープ100g、サラダ油60g」と規定されていたそうです。さらに「製法」、「技術要求」、「費用・値段」と続いており、費用、値段は「コストは材料、ガス代を含め12.99元/1人分。揚州での市場価格は、25元とする」とまで規定されていたそうです。
 この基準を作るにあたり「揚州調理師連合会」は、大勢の学者や研究家を招き、プロジェクトを結成し、何ヶ月もかけて揚州炒飯を徹底的に科学分析したそうです。揚州の調理師連合会の熱意には、頭が下がる思いがします。しかしながら、自己主張が強い国、中国です。全土から、ものすごい反発が出たのだそうです。「辛いものが好きな四川、甘い味が好きな上海など、地方によって味付けや好みの具材が違うのに1つの価値観を押し付けるのはおかしい!」という主張のほか、「値段まで、勝手に決められるなんて余計なお世話だ!」という反論が多く出たそうです。
 この騒ぎは「国家工商総局」という、この分野の国家最高レベルの窓口に達し、総局は次のような見解を出しました。「揚州炒飯は、たしかに商標として登録されてはいるが、それは商品名としてであって、料理名としてではない。すなわち、各レストランでメニューとして出すのは自由である。」とのことでした。
 さらに、中国全国調理師協会副会長である馮恩源氏が「揚州炒飯は、すでに一種の大衆的食品であり、そもそも商標登録すべきではない。各地の色があっていいし、統一化する必要はない。」とコメントしたそうです。結局、揚州炒飯は、具が多い炒飯として、いろいろな地方で独自に作られている炒飯として存在しています。
 何故、揚州炒飯は豪華な食材を使った炒飯になったのか、という点について、次の説話が有名なようです。
 清の第6代皇帝、乾隆帝が巡視で揚州を訪れた時、ある農村で食事を所望したそうです。突然のことだったので、農民は、残り物の御飯を卵とネギと一緒に加えて出したそうです。乾隆帝に、その料理の名前を尋ねられたものの、あり合わせの材料で作った料理に名前があるはずもなく、適当に「揚州の炒飯です」と答えたそうです。その後、宮廷に戻った乾隆帝が、揚州で食べた炒飯をもう一度食べたいと言い出し、さすがに卵とネギだけではどうかと考え、豪華な食材を加えた炒飯を作ったそうです。それが、宮廷では、「揚州炒飯」という名前になり、豪華な食材が使われた炒飯が「揚州炒飯」として、広く知られるようになったという話です。




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